墓石の建立は、全てのお客様にけっして安い買い物であるとは、言い難いと思います。
だからこそ、すべてのお客様に納得頂けるよう、もっと石の事をきちんと説明するのが、われわれ石屋さんの義務です。

墓石の最大のトラブルは、石が割れてしまうということです。その原因は、石が水を吸い込み、冬の寒い日に氷になり、膨張によって割れてしまうことにあります。値段が高い石は、過去の実績で割れのリスクが低いのです。
また、高級石の横綱は、東・相州小松石、西・四国庵治石ですが、共に模様を合わせることが難しく、1組つくるのに10の原石を組み合わせています。もし、製品をお買い上げ頂いたなら、「世界中でお客様だけの1組」といっても過言ではありません。

石の価格は次の三つの要素で決まります。
その1.
素材:
一般論ですが、国産の石がマグマから花崗岩になったのは、9000万年前、中国の石は2億7000万年前といわれています。中国産は地中に国産の3倍も長い間、寝ていたことになり、それだけ地下水の影響を大きく受けています。だから、国産の方が水を吸いにくく、割れるトラブルも起こりにくいのです。
その2.
磨き:
石を磨いて光沢を出す場合、数種類の碇石を用います。国産では相州小松石の工程が最も多く、12工程もの碇石で磨きます。国内で磨いた場合、最低でも4工程を確保します。
一方、中国産の粗悪品の中には、3工程ですませ、薬による熱で磨き上げたものがあります。2年程度で光沢が無くなる原因がこのことが殆どです。鏡のようにてかてかで、白い粉(ろう分)を吹いてくるものは、要注意です。
その3.
人件費、運送費:
石を掘出し、加工する人件費はご存知の通り、中国産に国産は到底かないません。運送費は、輸出する際の船代が中国産は余分にかかります。

私共「町の石屋」は、それなりの歴史を背負い、地域と深く結びついてまいりました。旧知のお客様方には、現在の所在地で営業していく以上、後足で泥をかけるような真似はできません。
お客様のトラブルを聞いていると、契約書をかわすような大手の会社が、短時間で石が割れてしまったのに何も対応してくれないとのことでした。契約書の中に“安い石なので、トラブルが起こっても当社は一切責任を負わない”との一行が入っておりお客様への説明も一切ないようでした。
また、アフターフォローをちゃんとしないと、我々の業界自体の品位が疑われてしまいます。